空色幻想曲
──ポンッ!

 不意に軽い衝撃を感じて顔を上げると、副隊長が普段通りの爽やかな笑みを広げていた。

「リュート、そろそろ馬の準備しようか」

「ああ、レガート」

 短く返事をしたら、「よし行こう!」と、また肩を軽く叩いてきた。

 のし掛かった見えない重みを払い落とすように。
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