空色幻想曲
竜巻と剣閃が交わる!
──……
魔族が放った風の刃は、俺の頬をかすめて黒天に消えた。
俺の繰り出した剣は、竜巻をすり抜け闇に潜む影を分断した。
刹那の反撃。
敵が仕掛けるなら、結界が解けた一瞬の動揺をついてくると思った。そこまで待つのは非常に危険な賭けだったが、魔族を確実に倒すためには眼前の敵だけに集中する必要があった。
深淵に浮かぶ金の眼がギョロリと俺を睨む。
「人間風情が、なぜ……私の風が、読、め……」
かすれた言葉を最後まで発することなく一陣の風は血の池に斃れた。
「お前の相手が悪かった。それだけだ」
亡骸にほんのわずかな同情心を寄せてポツリとこぼす。
すぐ隊員に向き直って声を張り上げた。
「三人目、撃破だ! 王女のもとへ戻るぞ!!」
──レガート、間に合ってくれ!!
翔ぶが如くマントを翻した。
********************
──……
魔族が放った風の刃は、俺の頬をかすめて黒天に消えた。
俺の繰り出した剣は、竜巻をすり抜け闇に潜む影を分断した。
刹那の反撃。
敵が仕掛けるなら、結界が解けた一瞬の動揺をついてくると思った。そこまで待つのは非常に危険な賭けだったが、魔族を確実に倒すためには眼前の敵だけに集中する必要があった。
深淵に浮かぶ金の眼がギョロリと俺を睨む。
「人間風情が、なぜ……私の風が、読、め……」
かすれた言葉を最後まで発することなく一陣の風は血の池に斃れた。
「お前の相手が悪かった。それだけだ」
亡骸にほんのわずかな同情心を寄せてポツリとこぼす。
すぐ隊員に向き直って声を張り上げた。
「三人目、撃破だ! 王女のもとへ戻るぞ!!」
──レガート、間に合ってくれ!!
翔ぶが如くマントを翻した。
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