空色幻想曲
†王家の伝承†
Lute side
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ひとまず難を退け、俺たちは再び町を目指すことにした。この山道を抜ければ、もう目と鼻の先だ。
だが、問題が一つあった。
「馬車は捨てていくしかないな」
黒い塊と化した御者と馬車馬を見下ろして呟いた。この戦闘唯一の犠牲者だ。
短い黙祷を捧げて遺体を回収した後、王女たちを見る。
荷馬車は無事だが、まさか女性陣をそんなところに乗せるわけにはいかない。安全面を考えても一人一人俺たちの馬に一緒に乗せたほうがいいと判断した。
となると、二人の姫を俺とレガートの馬、どちらに乗せるか。
正直どちらでもいいので、二人の姫に希望を訊いてみることにした。
「……私、レガートの馬がいいわ」
「わたくしはリュートの馬に乗せてもらってよくて?」
すんなりと意見が分かれた。
心なしかティアニス王女に避けられた気がするが、今は言及する時間もない。
エリーゼ姫の乗る馬を先頭にして、闇の中を誘導してもらいながら町へ向かった。
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ひとまず難を退け、俺たちは再び町を目指すことにした。この山道を抜ければ、もう目と鼻の先だ。
だが、問題が一つあった。
「馬車は捨てていくしかないな」
黒い塊と化した御者と馬車馬を見下ろして呟いた。この戦闘唯一の犠牲者だ。
短い黙祷を捧げて遺体を回収した後、王女たちを見る。
荷馬車は無事だが、まさか女性陣をそんなところに乗せるわけにはいかない。安全面を考えても一人一人俺たちの馬に一緒に乗せたほうがいいと判断した。
となると、二人の姫を俺とレガートの馬、どちらに乗せるか。
正直どちらでもいいので、二人の姫に希望を訊いてみることにした。
「……私、レガートの馬がいいわ」
「わたくしはリュートの馬に乗せてもらってよくて?」
すんなりと意見が分かれた。
心なしかティアニス王女に避けられた気がするが、今は言及する時間もない。
エリーゼ姫の乗る馬を先頭にして、闇の中を誘導してもらいながら町へ向かった。