ご主人サマにはヒミツの執事Romantic X'mas!
わたしはキサラギから視線を外し、足下の雪を見下ろしてから。
「……しょ、しょうがないわね。あなたのその気持ちに免じて、30センチにしておいてあげるわ!」
「本当ですか?それは安心です」
軽く握った右手を口元に持っていき、ニコッと笑うキサラギ。
……ねぇ、まさか、わたしをそうやって誘導してるんじゃないでしょうね?
「い、いいかしら!?あなたの気持ちに免じて、のことよ!?くれぐれも勘違いしないでよ!?」
「おや、なんの勘違いですか?私は特に、勘違いなどしていないつもりですけど」
「……う、うるさいわねそこの執事!黙りなさい!」
余裕にも見えるその笑顔がムカつくったらないわ!
やっぱりわたしがいくら私立の学園に通ってて成績も首位キープだとしても、年齢や経験の差が違うこの執事には敵いそうにない。
……いや、もしかして…頭の中身も勝てそうにない?
それはないわ!
だってわたしはとっても成績優秀で秀才だって言われて……
……“スルー”や“雪だるま”がわからなかったわたしが言えることじゃないかもしれない…わよね……。