ご主人サマにはヒミツの執事Romantic X'mas!
「…だから、」
その手はわたしの後頭部に回り――……
「傷つけるわけにはいかないんですよ」
……――思い切り引き寄せられた。
途端。
パンッ!
酷く乾いた音が鼓膜を揺らし、瞬間、わたしの髪の毛が数本、風に乗って飛んで行った。
髪の毛に、何かが当たり、引き千切られたのだ。
聞こえたのは――銃声。
まさか。
キサラギの胸板に押しつけられるようにしていたわたしは、顔を上げて、銃声の聞こえた方向へと目を向けた。
数メートル先。
そこに居たのは、覆面を被った、3人の男。