ご主人サマにはヒミツの執事Romantic X'mas!




キサラギの手が、わたしの髪の毛をすくって、銃で切れたその毛先に口づける。

そこから、キサラギの体温が伝わってくるよう。

顔が熱くなるのがわかった。

キサラギはそんなわたしを見下ろし、優しく笑うと、



「…私が全部、教えてあげます。

…でも、ご主人様には秘密ですよ?


――お姫様」




人差し指をわたしの唇に当て。

そしてゆっくりと、唇を重ねた。

それは、今まで味わってきたどのスイーツよりも甘く、とろけてしまいそうなほどの、口づけ。



――嗚呼、きっとわたし。

今、世界で一番、最高のクリスマスを送っている、女の子ね。

……なんて、根拠もなく、信じられるのよ。

ねぇ、王子様。


あなたも、そうでしょう?







【End】






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