ご主人サマにはヒミツの執事Romantic X'mas!
「…まっ待って!待ちなさい!いいの!いらないわっ手袋なんて!」
咄嗟に口から出た言葉に、自分でも驚いた。
それもそのはずで、実際、わたしの手は冷たくなって、すでに少しだけ赤くなっていたから。
キサラギも驚いたのか、わたしの顔を見つめて、軽く首を傾けた。
「どうしてですか?寒いでしょう」
「……す、素手で雪に触りたいのよ!わかるかしら!?」
「はあ、わかりますけど…しかしお嬢様の手が…」
「そ、それは…そうだけど……でも…でも…」
きっと手袋より、あなたの手の方が温かいわ。
それが素直に言えなくて。
だけど、キサラギは。