ガンバレ、男子!

自分でもメチャクチャな説明をしてしまった。

啓太も驚いたらしく、

「・・・分かった、順を追って話してみな」

と、俺の隣に座りなおして、話を聞いてくれた。

俺は、ぽつりぽつりと、4月からのことを話し始め、今日のハプニングを説明した。啓太は最後まで黙って聞いてくれた。

「なあ、女の子って、何であんなに軽いわけ?

何であんなに細い腰してんの?

なのになんであんなに柔らかいんだよ・・・。

ちょっと引っ張ったら俺にぶつかっちゃうしさ、また転ばないようにと思って支えたら、抱きしめたみたいになっちゃってさ・・・。

そしたら、細いし柔らかいし、・・・いい匂いだし、で、俺、離すの忘れちゃっててさ・・・。その上“柔らかい”とか口走っちゃって、しまいには変態って言われて、鞄で殴られて・・・。うわあああー」

「おい、陸!落ち着けって!ホントお前、女に免疫ないなあ。だからうちの姉貴にもからかわれるんだよ。でもさ、陸は別に悪いことしたわけじゃないし、その子だって、別に本当に変態だって思ったわけじゃなくてさ・・・」

「・・・ホントに?ホントに、変態だなんて思ってないかな・・・」

俺はベッドに突っ伏しながら、啓太を見た。パニクった俺を落ち着かせるコツを、啓太は知っている。

こういう時もバカにしないで真剣に聞いてくれる啓太は、本当にいいやつだと思う。

「思ってるわけないって!だって、その子を助けてやったんだろ?感謝してるくらいだって!」

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