ガンバレ、男子!

フワリ

何が起きたか、わからなかった。急に体が軽くなったかと思うと、いつの間にか、陸に・・・お姫様だっこされていた。

「り、陸くん!??」

私は驚いて、降りようとした、けど、しっかりつかまれていて、降りられなかった。

「ずっと、どうしようか迷っていたんだけど・・・。あんまり辛そうだから。嫌かもしれないけど、我慢して?これ以上歩くと、傷がひどくなるかと思って・・・。人込みから抜けるまでだから。」

陸はそう言うと、私を抱きかかえながら、人ごみをすり抜けていった。

でも、結構私も女の子としては大きい方なので、邪魔になりがちだ。陸もバランスを崩しやすいらしく、なかなか進まない。

「・・・・えと、良ければ、俺の首に手を回しておいてもらえる?そうすると、ちょっと抱えやすいから・・・」

陸は言いにくそうに、言った。すまなそうな顔は汗をかいていて、そして、真っ赤だった。

私もつられて赤くなりながら、そっと、陸の首に腕をまわした。

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