ガンバレ、男子!
ちひろは、慌てている様子だった。慌てた拍子に首に回していた手を離したので、落ちそうになり、今度は急いで首に手を回してきた。
俺はまるで抱きつかれたようになり・・・・ちひろの息が首筋にあたった。
わぁっ・・・。やばい。俺、やばい・・・。
こういうとき、浴衣はジーンズとかより、ずっとやばいのだ。両手は塞がってるし、手を離すわけにもいかない。
落ち着け、俺。落ち着け・・・。
目をつぶって、心を落ち着かせ、深呼吸して、ちひろに答えた。
「・・・うん。じっと、見てたから。何か、俺の顔に、ついてるのかな、と思って、さ・・。」
声は上ずっていなかっただろうか。俺の心臓は、さっきからバクバクいいっ放しだ。ちひろにこの音が聞こえていないかと、心配でならない。