ガンバレ、男子!
「・・・陸くん、お肌綺麗だなーとか思って見てた。」
ちひろは、抱きついた姿勢のまま、そう言った。
か、顔を上げて欲しい。喋るたびに、息が首筋にかかる。ますます俺の心臓は暴れだした。
「そ、そんなことないと思うけど・・・。ちいちゃんのほうが、よっぽどキレイだよ・・・。や、男と比べられるもんじゃないよな。ごめん・・。あ、ちょっと人ごみ抜けてきた。あのベンチまで行こう・・・・。」
俺は、ちひろにしゃべらせないよう、ひとりで訳のわからないことを口走っていた。頭がカーッとしていたから、普段だと言えないようなことも言ってしまっていた・・・らしい。
空いているベンチを探し、ちひろを座らせた。
無事座らせることができて、ホッとした。それが表れたのだろう、ほっ、とため息をついていたようだ。