ガンバレ、男子!
「・・・ごめんね、重かったよね。」
ちひろは、済まなそうに言った。決して、重くなかった。というか、あまりに軽いので驚いたくらいだ。
野郎は、いくら細くても、それなりに重い。でも、ちひろは長身のくせに軽かった。本当は、ずっと抱えていたかったくらいだ・・・と、これは、重さとは関係ないか。
「いや・・・あんまり軽いから驚いたくらいだよ。傷は、どう?」
「ありがとう、歩かなくて済んだから、楽だったよ。お姫様だっこは・・・ちょっと、恥ずかしかったけど・・・。」
「はは。俺も、女の子をお姫様だっこしたのなんて、初めて。」
俺たちは、顔を見合せて照れ笑いした。ちょっと、幸せな瞬間だった。