ガンバレ、男子!

紗耶香


ちひろを送って、うちに帰ったとたん、啓太から電話があった。啓太は、大抵家電にかけてくる。そこで、うちの母親とひとしきり世間話をしてから、俺に代わるのだ。


「りくー。啓太くんよー。」


母親は、啓太と話すと、必ず上機嫌になる。また、調子のいいことを言われたに違いない。


「・・・・もしもし。」


「あ、陸、帰ってた?あのさ、・・・ま・・・電話じゃ、なんだから、うち、来いよ。今日は俺んち泊まってけば?俺も話したいことあるし。」


「・・わかった。シャワー浴びて、着替えてから、いく。」


「早く来いよー。」

< 109 / 269 >

この作品をシェア

pagetop