ガンバレ、男子!
「そうかな・・・。」
「そうだって。落ち着いてきたか?
相変わらず可愛いやつだなあ。ホント。姉貴の気持ちもわかるよ・・・。
でもさ、それより、その子に彼氏と子供がいるかもしれないって言うののほうが俺は気になるよ。」
「うん・・・。友達とそう話してたんだよ。」
「でもさぁ、例えそうだったとしても、電車の中で大声でそんなこと話すか?普通。」
「まぁ、そういわれてみれば、そうかもしれないけど・・・。」
やっとまともに考えられるようになってきた俺は、あの時の会話を思い出していた。
でも確かに、“子供がいる”って言ってたんだよな・・。
見た目、遊んでる風にも見えない、っていうか、どっちかというと珍しいくらいスれていないように見えたし・・・男がいるとか、子供!がいるとか絶対見えないし・・・、ああ、女ってわかんねーっ!
また、悶々と考え始めた俺に、啓太は軽くため息をついて、
「ま、ちょっとは戻ってきたみたいだし、大丈夫かな。奥手の陸君にはこういう試練もいいんじゃないか?じゃ、俺、帰るわ。」
と言いおいて、帰って行ってしまった。