ガンバレ、男子!
「ううん、別に?そう言えば、あの日、帰りのこと、詳しく聞いてなかったよね?
私は尚登君のうちの車が迎えに来たから、それに乗せてもらって、うちまで帰ったけど・・・。2人は、どうやって帰ったの?」
なんだかはぐらかされたみたいだったけど、私は、あの日、陸と一緒にいたことを話した。
「盆踊りで踊りすぎて、鼻緒のところの皮がむけちゃってねー。痛くて歩けなかったんだけど、陸くんにテーピングしてもらって、何とか履けるようになったんだ。でも、その後、足踏まれて怪我しちゃって。・・・・帰りは、送ってもらったよ。」
テーピングされたとき、足を触られてドキッとしたこと。
でも、気持ち良かったこと。
お姫様だっこされて驚いたけど、嬉しかったこと。
たくさん話したこと。
一緒にたこ焼きを食べたこと。
帰りは、おんぶで送ってもらったこと。
・・・・・・・・・
今までだったら、洗いざらいしゃべってしまっていたはずが、何故か言えなかった。言いたくなかった訳じゃない。言えなかったのだ。理由は・・・・・・・・・・・わからない。
「・・・それだけ?」
私の心を見透かしたように、弥佳が聞いた。
「う、うん。それだけ、だよ・・・」