ガンバレ、男子!
「待って~!」
叫び声とともに、ちひろが駆け込んで来た。
息を弾ませ、ふうっと溜め息をついて顔を上げた。
俺は、久々に見たちひろに見とれ、声をかけられなかった。ちひろも、夏休みは部活ばっかり、と言っていたが、そのせいか夏前よりひき締まった感じだ。
ちひろが、視線を感じたかのようにこっちを見た。
「あ、陸くん!久しぶりだね。おはよ!」
俺を見るとパッと笑顔になり、手を振って近付いて来た。
ドクン…!
俺の心臓がものすごい音をたてた。久しぶりのこの笑顔、それも俺に向けて、だ。朝から、心臓に悪い…。
ドキドキドキドキ…
「お…おはよ。元気?」
俺は、普通の声を出せただろうか?
「うん、元気だよ!陸くんは?」
君に会えたから元気になったよ…なんてことは思っても、言えるはずが無い。
「うん…元気。」