ガンバレ、男子!

私が話している間、陸は相槌をうちながら、聞いてくれていた。でも、私が光源氏の話をしたあとだと思うけど、上を向いて、溜め息をついた。

どうしたのかな…?

「りく、くん…?」

「あ、いや、え?」

慌てた様子でこっちを見た。

「どうしたの?」

「う、ううん、何でもない。そ、それで、文化祭っていつなの?」

「あ、えっとね、来月の…25日から三日間、かな?」

「そっか。で、劇っていつ?」

「三日目のお昼過ぎ…2時からかな?」

そのあと、陸は何か言いたそうだった…けど、結局何も言わなかった。

「頑張ってな…」

小さな声で、そう言っただけだった。

< 144 / 269 >

この作品をシェア

pagetop