ガンバレ、男子!

「弥佳…ちひろには、遠回しに言ってもダメよ…。はっきり言わなくちゃ。」

そう言うと、優雅は私に向き直り、こう言った。

「ちひろ。山本くんは、文化祭に誘って欲しかったんだと思うわ。」

「…え?」

ええええ?

思い付きもしなかった!
自分の劇のことで頭がいっぱいで、陸がそんなこと思ってるなんて、思わなかった!

でも…

「…ホントに?」

「「ホント!」」

ふ、二人で同時に言わなくても・・・。

「ちいちゃんが、鈍いってことはわかってたけど、ここまでとは・・・。ホント、先行き不安だわ・・・。」

弥佳が同情したような表情で、そんなことを言った。

そ、そうだったのか・・。何か言いたそうだったのは・・・。

「で、でも、そうだったんなら、言えば、いいのにね・・・?」

恐る恐るそう言うと、優雅と弥佳は、呆れたような顔をしてお互い顔を見合わせていた。

「ホント、陸くんに、同情するな・・・。」

弥佳が小さく呟いたようだけど、私には何て言ったのか、聞こえなかった。

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