ガンバレ、男子!
そうか…。劇とか部活とか、忙しいもんなあ。案内は無理かもな…。
俺は、芳川さんのことじゃなく、ちひろのことを考えていた。
「ちひろちゃんや弥佳ちゃんは、ちょっと時間が取れるらしいよ…?」
それを知ってか、啓太は、ニヤリと笑って言った。
「え…?マジ…?」
よっぽど嬉しそうな顔だったのだろう。
啓太はプッと吹き出し、俺を指差して笑いやがった。
「かあわいい~、陸くんたらっ!乙女…」
「てめっ…」
最後までは言わせず、ヘッドロックをかけてやった。
「ギブギブギブギブ~!」
こいつ、いいやつだし、すごいやつだけど…この口の悪さだけはどうにかして欲しい…。
苦しそうに俺の背中を叩く啓太を、しばらく離してやらなかった。