ガンバレ、男子!

弥佳のことは放っておいて、優雅と話を進めることにした。

「…優雅は、三日とも担当回ってくるの?」

「うん。あく時間もあるんだけどね…。ま、あまり人が来ないから暇なんだけど、でもいなくちゃいけないから。」

「そっか。英語部って今年は何展示するの?」

「ん?今年は、『ローマの休日』を題材にして、英語の言い回しとか、歴史的背景とか調べたの。それとね、展示部屋をね、それらしい雰囲気にして、私たちの衣裳も考えようと思ってるの。でも、衣裳、王女様のドレスじゃやり過ぎよね…。」

優雅は、英語部だ。

実は、普段の活動では何をしているのか、いまいちよく分からないんだけど、文化祭では毎年展示をしている。

何年も前には、英語劇をしていたらしいけど、最近は人数も少ないし、展示だけのようだ。それでも、映画などのストーリーを選んで展示することが多いのは、劇をやっていた頃の名残なのかも知れない。

『ローマの休日』は、優雅に薦められて私も観た。素敵な映画だった。

去年の文化祭で私が演った劇は、実は『ローマの休日』王子版、という内容だった、というのは、後から脚本を手掛けた弥佳に聞いた。優雅は、あの劇も、気に入っていたようだった。

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