ガンバレ、男子!
「…紗耶香さん…」
紗耶香、啓太の姉だ。
「いやあねえ!他人行儀な。紗耶香でいいのよ?」
そう言いながら、俺の頬を指でつついた。
「や、止めてくださいよっ!」
「まあ、可愛い反応!赤くなっちゃって。どうしたの?これから、デート?」
「違いますっ!この荷物見ればわかるでしょう?稽古ですよ、稽古!」
「わかってるわよ。ムキになっちゃって。陸が女の子とデート出来るなんて、だれも思ってないから安心しなさい。」
「う・・」
そう言って、俺の鼻をつまんだ。
本当にこの人は、いつまでも俺たちを子ども扱いして、からかうから苦手だ。