ガンバレ、男子!
夏祭りの日の前日、啓太はヨシと尚登を呼び出したそうだ。
「最初の作戦はもう必要なくなった。けど、あの陸のことだ。俺たちが協力しないと、どうにもなんないと思わないか?
ま、基本は成り行き任せなんだけどさ、もし、もしだよ?うまくその、ちひろちゃん?と会えて、一緒に回れたりするようなことがあったら・・・なんとか2人きりに、出来ないかな・・・?」
「啓太くん、そう2人に言ったそうよ。」
笠原さんは、笑って続けた。
「ま、大作戦、というほどの計画じゃないと思うけど・・。でも、私が陸くんの気持ちに気がついてるなら、好都合だと思ったんじゃないかな。
夏祭りで話を聞いた時、尚登くんに、頼まれたのよ。ちょうど、ちひろと陸くんが二人でしゃべってる時かな。車で送るから、一緒に帰ってくれないかって。
尚登くんは、駆け引きとかそういうの、出来ないんだろうね。真正面からお願いされたよ。
・・・啓太くんはどうやって優雅を連れて帰ったのか分からないけど、ま、どちらにしても、意図的にはぐれたんだと思う。
啓太くんは、そういうとこ、うまくやるみたいだから、優雅はその大作戦のことは知らないとは思うけど。」
・・・そんなこと、今、初めて知った。
啓太たちが・・・。
「・・・いい、友達ね?」
笠原さんは、やっぱり笑いながら、でも、本気の口調でそう言った。
「ああ・・・。みんな、いいやつらばっかだよ・・・。」
俺も本気でそう答えた。