ガンバレ、男子!
電話口で苦悩している俺をよそに、ちひろが言った。
「あのね?文化祭のパンフレットを渡そうと思って…。今日配られたんだ。当日まで会えるか分からないから、渡して置こうと思ったの。
私と陸くんが一番家が近いだろうって、弥佳たちに頼まれて…。ごめんね?急で。」
あ、文化祭の、ね。まあ、そうだよな…。期待してしまった分、落胆も大きかった。
でも今から会えるのは事実だ。
最近顔を合わせてなかったから、そんな用事だったとしても、嬉しいのには変わりない。
俺は気を取り直して答えた。
「いいよ!全然大丈夫!すぐ出られるの?…でも一応時間を見て…駅前のスタバで、30分後に。」
そして、俺は久しぶりにちひろに会える事になったのだった。