ガンバレ、男子!

俺は、ずっと自分の気持ちを認められずにいた。認めたくなかった。


だって、まだちゃんと話したこともない。

電車では何度も見かけていたけど、彼女のことは全くと言っていいほど何も知らない。それなのに、好きになっちゃうなんてありえないと思っていた。

誰かが前に、一目惚れするときはビビッと電気が走る、みたいなことを言ってた。

俺は一目惚れをするタイプじゃないと思ってたし、そういう体験をしたことも無かった。実際、最初にちひろに会った時も、・・・ええと、どうだったかな?でも、ビビッと電気、って感じじゃなかった、と、思う。

ちひろのことが気になるのも、周りに女の子がいないから・・・ちょっと体に触れちゃって意識しているだけなんだと思ってた。

いや、そう思い込もうとしていただけなのかも知れない-------------。

俺は、あの娘のことが・・・?

本当は、最初に見かけたときから、電車に駆け込んできたのを見たときから、目を奪われていたじゃないか。


「好き、なんだ・・・」

< 20 / 269 >

この作品をシェア

pagetop