ガンバレ、男子!
「あ、そうだ!パンフレット!」
急に思い出した。今日はパンフレットを渡しに来たんだった。
「忘れてた。これを渡さないといけないかったんだよね・・・。一応、人数分あるから・・・。」
パンフレットを陸に渡し、中身を説明した。陸は、興味深そうにパンフレットを眺めながら、私の話を聞いていた。陸には、女子校の展示内容とか、出しものとかが新鮮だったようだ。
男子校の文化祭とは違うのかな・・・?
それから、しばらく、文化祭の話で盛り上がった。
ブブブブブ
その時だ。私の携帯にメールが入った。
「あ・・・お母さんだ・・・!え・・・こんな時間!?」
知らないうちに時間がたっていたようだ。
「え?あ!ごめん・・・!俺も気がつかなかった。送るよ。帰ろう。」
「え?大丈夫だよ!ひとりで帰れるよ?」
私がいくら言っても、陸は送ると言って譲らなかった。女の子を夜遅くまで引きとめたのは自分の責任だ、送って行くのは当然だって言って。
私は陸の好意に甘えることにした。
「じゃ、じゃあ、よろしくお願いします・・・。」