ガンバレ、男子!
店を出ると、風が強く、肌寒くなっていた。
「さむ・・・」
借りていたセーターは返してしまったし、薄着で来てしまったので、かなり寒かった。そんな私を見て、陸は黙ってセーターを脱いで、
「これ、着ていきなよ。」
と、頭から被せた。ふわりと陸の匂いがした。
「はい、手を通して?」
着せてくれるつもりらしい。
は、恥ずかしい・・・。
でも、世話を焼かれるのはちょっと嬉しい・・かな?私は黙って手を通し、セーターを着た。
「あ・・・・。」
私の姿を見て、陸はみるみる赤くなり、片手で顔を隠し横を向いた。
どうしたのかな・・・?
不思議に思い、陸の顔を覗き込んだ。
「陸、くん?」
「や・・・。それ、ちょっと・・・。」
「え・・・?」