ガンバレ、男子!
「田村さん?」
どこかで聞いたような声が、尚登の名前をよんだ。
愛奈だった。
「あれ…?皆さん、どうしたんですか?こんなところで…。あ、鈴華先輩まで。」
尚登と話していた子は鈴華というらしい。振り返りざま愛奈の肩を掴み、叫んだ。
「愛奈っ!同じ文化祭実行委員、後夜祭担当として、あなたからもお願いして?
…例の…、
…後夜祭に出てもらう男の子、この方しかいないと思わない?」
それを聞くと愛奈は、ハッとして、尚登を見つめた。
「…確かに…言われてみたら…」
愛奈は、尚登に視線を定めたままゆっくりと近付いて、自分の両手で尚登の両手を包んだ。
「田村さん…私、責任持って担当させていただくので、出て、もらえませんか…?」
尚登の目を見つめる愛奈の瞳は、期待に満ちた色でキラキラと輝いていて…