ガンバレ、男子!
恋を自覚しただけでもいっぱいいっぱいなのに、これ以上面倒なことが起きたら・・・。考えただけでもオソロシイ。友達はありがたいけど、遠くで見守っていてくれるだけにして欲しいと、心から思った。
その時、ヨシの携帯が鳴った。
「あ、うん。・・・この近く?ああ、いいよ。・・・今日はもうたぶん・・・うん。じゃ、駅で」
「誰?」
「あ、妹。近くにいるらしいんだけど、一緒に帰ろうって。何でも好きな人に手紙を渡してきたとかなんとか・・・」
「妹さん?いくつ?」
「中2」
「ははははは!お前、陸、中学生女子に負けてんじゃね?」
「・・・うるせーよ。」
「まあまあ、そんな拗ねんなって。陸ちゃんは可愛い、可愛い!」
「オノレ、成敗してくれるっっっ!」
取っ組みあいはじめた俺たちを無視して、ヨシは
「じゃ、俺帰るわ。今日はもう勉強しないよな?」
「そうだねえ。勉強どころじゃなかったね。ま、試験対策集作って配るっていうんでいい?」
「ああ、さんきゅ」
いつの間にか、帰ってしまった。
手紙といえば、啓太のうちに来るとき、双子にラブレター渡している女の子がいたな・・・。もしかしてあれがヨシの妹だったりして。・・・まさかね。
その時は知らなかった。俺の勘が半分だけ、当たっていた、ってことに・・・。