ガンバレ、男子!
もう笠原さんには繕いようがない。…まあ、最初からバレてたし、尚登からも話を聞いているようだから、今更って感じだよな…。
「…でもね、陸くん。ちいちゃんのファンはここにいるだけじゃないからね?ちひろと付き合うってことは、この学校中の女子から王子様を奪うってことだから。わかってる?その辺覚悟して、告白してよね?」
皆の王子様を奪う、か。
俺は、体育館にいるたくさんの女の子たちを見回した。
「…了解。よく、覚えておきます…。」
啓太たちは、というと、少し離れたところで、呆然と突っ立ったままだった。口も開いたままだし、最初の姿勢と全く変わっていない。
少なくとも、俺たちの話は聞こえていなかったようだ。
ちょっと、ホッとした。