ガンバレ、男子!


起きたらもう陽も落ちて、あたりはだいぶ暗くなっていた。

携帯を見ると、啓太からの電話やメールで着歴がいっぱいだった。でももうその時には、前夜祭はもう終わる時間だった。

電話の話だと、女の子たちは残る用があるみたいだったし、結局そのままひとりで先に帰ってきたのだ。

ウチに着いた俺はまず、ちひろにメールを入れることにした。

゛今日は前夜祭見に行けなくてごめん!実はスロープで寝ちゃってたんだ。 陸゛

゛ええっ?あんなとこで?寒くなかった? ちひろ゛

゛大丈夫!挨拶、見られなくてごめん。 陸゛

゛いいよ~。恥ずかしいから見られなくて良かったくらいだよ。 ちひろ゛

゛バスケはカッコ良かったけど? 陸゛

゛うわっ!見てたの?恥ずかしい…。 ちひろ゛

こうやってちひろとメールする時間は、幸せな時間だ。本当は、いつまでも、こうやって、繋がっていたい。

でも、ちひろはまだ学校にいるはずだ。周りの目を盗んで返事をくれているのだと思うと、嬉しいけど、迷惑をかけちゃいけないとも思う。

しつこいやつ、って思われるのも嫌だしな。

そして、

゛明後日の劇、頑張れ!見に行くよ。(今度は寝ない!)また。 陸゛

と送り、終わりにすることにした。

メールをやめるのでさえ、こんなに頑張らなくちゃいけないくらい、俺はちひろと繋がっていたいんだ・・・。

改めて自覚して、はあっと大きなため息が出た。


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