ガンバレ、男子!


「んっ・・・」

唇が触れた瞬間、ちひろは、身体をビクリとさせた。

俺は、紙一枚分だけ唇を離し、

「・・・いや、だった・・・?」

と聞いてみた。自分の声じゃないみたいに、掠れた声しか出なかった。

「いや、じゃないよ・・。でも、初めてだから、ビックリしただけ・・。」

ちひろが喋るたびに、少しだけ離した唇が触れ合う。心臓が痛いくらいに動悸している。

「俺も、実は、ファーストキス、なんだ・・・。」

そう言いながら、我慢できなくなった俺は、再びちひろの唇にキスを落とした。


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