ガンバレ、男子!
「陸!おす」
「…おはよ…」
「なんだよ、朝っぱらから元気ないなあ!」
「お前はいつも朝から元気だね…」
「ま、ね。ハイテンションが俺の持ち味だから」
「…それ、誰が言ったの?」
「俺」
「…。」
「で?何疲れてんの?」
啓太に、ちひろを見るのが日課だなんてバレたら、からかわれること…いや、バカにされること、必須だ。
゛遠くから見てるだけ?お子ちゃまだね~゛とか何とか言うに決まってる。
その上、ちひろが友達(女)に抱き付いたのを見てドキドキしたとか、絶対、言えない。
まあ、ちょっとヘコんでたのは、自分で自分のヘタレぶりを自覚して情けなくなったからなんだけど。
俺は、朝ちひろたちに゛たまたま゛会ったこと、その時夏祭りに行く話をしてたことを伝えた。
「ふ~~ん?」
「な、なんだよ」
「…いや、別に~。゛たまたま゛ねぇ。」
ニヤニヤしながら、俺を覗き込み、
「毎朝会って・・・いや、見てんじゃないの?」
なんて言いやがった。
「て~~~めぇっ!」
俺は、啓太を追いかけた。