ガンバレ、男子!
「おはよう…あれ、陸、どうしたの?顔、真っ赤だよ?」
尚登にまで言われてしまった俺は、ガックリ力が抜け、机に突っ伏した。
「まあまあ。あのな~、陸がちひろちゃんとお祭り行きたいんだと」
「まてっ…おまぇ…俺はそんなこと言ってないぞっ!あの子が行くみたいだって、言っただけ…」
「ふんふん、で?」
「だっ、だから…俺たちも…っていうか…えっと…」
「それで朝から元気無かったわけ?俺たちにどう切り出そうかな、とか悩んでた?」
「う゛…いゃ、それもあるけど…」
ここ最近、自分の感情も行動もコントロール出来なくてイライラしていた。
どうしたらいいのか分からなくて、でも実際ちひろを目の前にすると、情けない自分を自覚するばかりで、落ち込んでもいた。
そんな中で、啓太たちにからかわれるたび、俺の感情は逆撫でされ、イラついていた。
「陸って…なんか、最近、可愛いよね」
尚登が、感心したようにそう言うのを聞いたら…とうとう、キレてしまった。
「尚登までっ!いい加減にしろよなっ!もうお前らなんかに頼むか!」
俺は、2人を置いて、自分の席へ向かった。
その日は一日、機嫌が悪かった。
でも・・・こんなに怒りを露わにしたのは、久しぶりだった。啓太にはともかく、尚登やヨシは、こういう俺を見るのは初めてかもしれない。
そんな怒るほどではなかったのかもしれない。でも、怒りが収まらず、結局一日、口をきかなかった。