ガンバレ、男子!
「…まぁ、みんな陸を心配してるのは確かだよ。力になりたいとも思ってる。許してやってくれないか?」
ヨシは自販機で缶コーヒーを買い、俺に投げた。
「もう怒って無いよ…。半分は自分のイライラをぶつけたみたいなもんだしさ。…俺も、悪かったよ」
缶コーヒーを受け取り、俺たちは公園のベンチに座った。
ヨシの話を聞いている間に、怒りは収まっていた。
あいつらにも、悪気は無いことは分かってる。今朝のことだって、いつもなら怒るほどのことでは無かったはずだ。
コントロールできないいろんな感情に、俺自身が戸惑っていた。苦しかった。
黙り込んだ俺を見て、
「陸は、もう少し俺たちに頼ってもいいんだぞ?」
ヨシがいきなりそんなことを言った。
「…え?」
「悩みがあっても、言わないし、あまり見せないだろう。今日みたいに怒ることさえないよな。俺たちには、それがちょっと寂しい。」
ヨシは俺を真っ直ぐ見つめながら言った。真剣なまなざしに、俺はちょっと感動してしまった。
「…そうか。サンキュ。」
顔を隠すため、ヨシにもらったコーヒーを一口飲んだ。
甘くて、苦い味だった。
「明日、みんなと話すよ…」