ガンバレ、男子!
「・・・・ああ。うちの妹が好きな先輩かも、しれない・・・。」
「好きな先輩!?・・・妹の!!!?」
「ああ。うちの妹も城川に通ってるんだ。中学だけどな。
なんでも、その春日ちひろ様・・・妹がそう呼ぶんだ・・・って子は、みんなの憧れの先輩らしい。王子様みたいなもんだって、言ってた。こないだもラブレター出したとか・・・。」
俺はそう言われて思い出したことがある。
試験勉強だって言って啓太のうちに集まったとき、双子にラブレターを出していた子がいた。城川の制服を着ていた。確か、中学生くらいだった。
その時は、もしかすると、なんて思ってたけど・・・。
やっぱりそうだったんだ。
「・・・・ラブレター渡したのって、啓太んちで試験勉強した日だって言ってたっけ?」
「確かそうだったかな・・・。あのあと、俺と合流してうちまで帰ったから。」
「・・・それで、そのちひろさまには、双子の弟がいたりする・・・?」
「いや・・どうだろう。妹なら知っていると思うんだけど・・・・。」
ヨシが申し訳なさそうに頭を掻いた。
「陸、ごめんな。城川に通ってるとか、ちひろという名前だとか、女子にモテるとか、いろいろ聞いてたのに・・・全然思いつかなくて。
妹の話なんて、適当に聞いててさ・・・。同じ子だなんて思ってなかったよ。名字まで聞いて、やっと気がついたよ。遅くてごめん・・・。」
「いや・・・そんな・・・」
「・・・よし!決まった!今日の放課後、ヨシの妹に、話を聞こう。ヨシ、いいよな? 陸も?」
いろんなことが起きすぎてわけがわからなくなっている俺の頭をポン、とたたき、啓太が言った。
「たぶん。帰り、うちに来て話すか?」
ヨシが言い、俺も尚登も頷いた。