ガンバレ、男子!
放課後、みんなでヨシのうちへ向かった。
ヨシは比較的学校に近い所に住んでいる。頑張れば歩いて行けるくらいの距離だから、みんなでぞろぞろと歩いて行った。
「ここ。もう、うちにいるみたいだから。」
自転車を停めながら、ヨシが言った。
その声を聞きつけたのか、
「お兄ちゃんっ!お帰りー。」
中学生くらいの女の子が玄関から飛び出してきた。
ゴツイ体型のヨシの妹とは思えないくらい小柄で、可愛い感じの子だった。
「こんにちはー。入ってください!」
妹さん、愛奈ちゃんというそうだ、に促され、俺たちは中へ入って行った。
俺も知らなかったのだけど、ヨシの家は柔道一家なのだそうだ。家の裏手には小さいながら柔道場がある。そこで、休みの日なんかは親父さんが柔道を教えているらしい。こう見えても、愛奈ちゃんは相当な腕らしいというから、人は見かけによらない。
俺たちは、秘密の相談ということで、その柔道場で話をすることになった。
「ホントは道場では飲食禁止なんだけど」
と言いながら、愛奈ちゃんは飲み物とお菓子を持ってきてくれた。
「愛奈が食べたいんだろ?」
ヨシは愛奈ちゃんの頭を叩いた。ペロッと舌を出した愛奈ちゃんを見て、俺は、
妹っていいな・・・・
なんて思っていた。