ガンバレ、男子!
私は愛奈の頭をくしゃっと撫でて、
「…分かった。一度だけだよ?」
と、言った。
「ちひろ?!」
優雅のほうが慌てたように私を見た。私は優雅に、大丈夫だよ、というように頷いて、
「手紙をもらってから、どう話をしようか、私も悩んでたんだ。愛奈ちゃんは、気持ちを伝えたいだけだと言っていたけど…勇気を出して告白してくれたことに対して、私もちゃんと話さなくちゃと思ってた。
…愛奈ちゃんだけじゃなくて、他の子たちとも、お付き合いは、出来ない。
気持ちは嬉しいし、好きな人がいる訳じゃないけど、ごめんね。でも、愛奈ちゃんのことは、後輩として、とても可愛いと思ってるよ。ありがとう。」
愛奈は、ボロボロ涙を零しながら、何度もなんども頷いていた。私は、そんな愛奈をギュッと抱き締め、
「さ、もう泣かないよ!お祭りには一緒に行こう。だけど一度だけだからね?それに、みんなには内緒!分かった?」
と言って、ハンカチを渡した。そして待ち合わせの時間と場所を伝えると、優雅を促して校舎に向かった。