ガンバレ、男子!

ハプニング


その日、いつものように駈け込んだ車内は、いつもと違って、すごく混んでいた。

いつもは、席は埋まっているけど、立っている人はそれほど多くないくらい。今日は、ほぼ満員だった。


嫌だな・・・


私は背が高いので、混んでいる電車だと寄りかかってくる人がいて、それが結構、重かったりする。今日も隣の小柄な女性が、私に寄りかかって、あろうことか眠り始めた。

困ったなー、

そう思っていたその瞬間、電車が急ブレーキ、そして、私は何故か後ろ向きに倒れていった。

吊革にも捕まっていなかったので、バランスが取れず、足もとにドカッと置かれていた大きな荷物のせいで、足を踏み出すこともできず・・・・


手を前に差し伸べたまぬけな状態で真後ろに倒れていったのだった。

でも結構頭の中は冷静で、

眠っていた女性はしっかり逃げているな、

とか

皆ビックリしてるー

とか、おバカなことを考えながら、スローモーションで景色が見えていたのは、覚えている。


そして、慌てた顔で手を差し伸べてくれた、高校生くらいの背の高い男の子の顔。



でも、その後どうなったのかわからないけど、覚えていないんだけど、、、、
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