ガンバレ、男子!
「り―く!」
いきなり背中の辺りに衝撃があった。
「う…」
「何ぼんやりしてんの?」
啓太だった。
「…やけに早くない?」
俺は朝からハイテンションの啓太に、不機嫌に答えた。
「まあまあ。今日は陸のちひろちゃんを見に来たのよ~」
「おまっ…!声がでかい!…っていうか、俺のじゃないからっ!…いい加減にしろよ?」
慌てて啓太の口を塞ぐと、電車が来た。
…全く、啓太の奴、何考えてんだか…。
電車に乗り込み、目立たないように車両の端へ啓太を押しやった。
「余計な話はするなよっ?あと、声は小さく!聞こえると困るんだから…」
などと言っていたら、ちひろが駆け込んで来た。