ガンバレ、男子!

ゆまちゃんだっけ…?

俺は、啓太が2人に背中を向けるような位置に立たせた。でも啓太は、度々後ろを振り返りながら、

「俺、友達のほうが好みだな~」

とか、

「あ、笑ってる!何話してんのかなあ。」

とか、いちいち口に出していた。俺は、ちひろたちに気が付かれちゃうんじゃないかと、ヒヤヒヤしっ放しで、啓太の口を塞いだり、しいっ!と言ったり、忙しかった。

もしかしたら、いやきっと、俺の方が啓太より目立っていたのかも知れない。今振り返ると、そう思う。図体はデカいし、何より慌て振りが不自然だったと思う。

「…あれ、気が付かれたかな?」

啓太のその声で、俺はそおっと、ちひろたちのほうを、盗み見た。

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