ガンバレ、男子!
「…ねぇ、ちひろ?さっきから、こっちをチラチラ見てる男子がいるんだけど、気がついてる?」
「え…?何の話?」
私は、自分で言うのも何だけど、あまりいろんなことに鋭い方ではない。…というか、かなり鈍感なほうだ。
優雅とか弥佳とかは、良く気が付く方で、私の鈍感さを注意されたりする。おまけに、大雑把でおっちょこちょいなので、これに関しても、指導を受けることしばしばだ。
こんな私が普通に生活出来ているのも、この2人のお陰かも知れない…。
「ちひろは、ホント鈍ねえ…。ほら…あの2人!」
私が全く気がついていないことを察し、呆れたような表情で、優雅が言った。
優雅が目線を送ったほうを見ると、男の子が2人、立っているのが見えた。