ガンバレ、男子!
一人は初めて見る顔だ。
小柄だけど、活発そうな、運動神経が良さそうな、パワーを感じる子だった。色も黒いし、短髪だし、どこか運動部に入っているのかも知れない。
わざと視線を逸らせながら、バレた、という顔で笑っていた。
もう一人には見覚えがあった。
誰だっけ…?
背はかなり高く、電車の天井に届きそうだ。ちょっと童顔の顔は、赤く染まっていたが、私のことを真っ直ぐ見ていた。弾けそうなパワーのある友達とは違い、その視線は、穏やかな雰囲気をまとっていたのが、印象に残った。
どこかで会ったはず…どこだっけ…。
その視線に見覚えがあった。考えながら、私も、その男の子を見つめた。しばらく、見つめ合ったままだったと思う。