ガンバレ、男子!
「なあ、陸。悪かったよ…。ちょっと調子に乗りすぎた。だから落ち込むな?」
さっきから、しきりに啓太が謝っている。ちひろたちにバレ、またしても「変態」呼ばわりされたのが、自分のせいだと感じているらしい。
確かに「変態」は傷ついた。だけど、すっかり忘れていた様子に、もっと傷ついたのだ。
脈なしってことだよな…。
でも今回のことで、覚えてはくれたと思う。少なくとも思い出してくれたんだから。それに別れ際、謝ってくれた。
ということは、怒っているわけでもないし、ホントに変態だと思っているわけじゃない、ってことだよな?
ちょっと嬉しくて、顔がニヤけてしまった…。
「陸?大丈夫か?」
啓太が心配そうに覗き込んでいた。
「ああ・・・。なあ啓太。夏祭り、行こうな。」
俺は、頑張る気になっていた。