ガンバレ、男子!
気がついたら、その男の子の腕の中で、
ぎゅうううっ
と、抱きしめられていた・・・・。
たぶん、しばらくその姿勢のままいたんだと思う。
何が起きたかわからなかったけど、苦しくて顔を上げたら、その男の子の腕の中だったから。
そしてしばらく見上げて呆然としてしまったから。
「ちょっ・・・・!」
私は自分の状況を把握すると、ビックリして、その子を突き飛ばした。
「あ、・・・ごめ・・・・・力余って・・」
私が見上げるほどの長身の彼は、ちょっと童顔の顔を真っ赤にして、パッと手を離した。
それだけだったら、良かったんだと思う。でも、
「・・・・女の子って・・・・すごっ・・やわらか・・」
何て、小さい声でつぶやいたのが聞こえたもんだから・・
「この、変態っ!」
と叫んで、鞄を顔面にぶつけて、電車を飛び降りてしまった。