ガンバレ、男子!
「本当はね、たぶん、助けてくれただけだと思うんだよね。可哀そうなことしたかも・・・。」
私は、学校に行ってから、親友の芳川優雅(よしかわゆま)と笠原弥佳(かさはらやよい)にその話をした。
「ホント、可哀そうにねえ。折角助けてあげたのに、変態呼ばわりでしょう?そのあと、電車乗っていられなかったんじゃない?その子。」
優雅は、見た目は美少女なんだけど、ズバズバとものを言う、毒舌家。
裏表もないし、嘘は言わない。そのせいか敬遠されがちなんだけど、私はそのさばさばした性格が好きで、中1でクラスが一緒になってから、ずっと仲良くしている。
それに、実は結構優しくて、心配症の可愛いやつであることを私は知っている。さりげなく、朝の男の子のことも心配していたりして。
「ねえねえ、その子、格好良かった?」
甘えた声で覗き込んだのは、弥佳。
弥佳は可愛い顔立ちで、全体的にちっちゃい。背も小さいし(まあ、私に比べたら大抵の人は小さいんだけど)、顔も小さい。声も、まるでアニメの登場人物のようだ。
外見は、いかにも女の子という感じなんだけど、実は中身はそうでもない。バリバリの理系だし、運動神経もいい。
弥佳とはあることで中3のときに声をかけられ、それ以来一緒にいるようになった。
そして私は、春日ちひろ。175cmの長身を生かして、バスケ部に所属している。
・・・そして、何故か、女子に、モテる。
それも半端なモテかたじゃない。自分で言うのもなんだけど、かなり、モテる。
でも本当は、それは嬉しいような、申し訳ないような気がしてて、ちょっと複雑なんだよね・・・。