ガンバレ、男子!
「陸くん?どうしたの?大丈夫?」
陸が、額に手を乗せて上を向いたまま、動かなくなっちゃったので、私は心配になって聞いてみた。
「だ、大丈夫、大丈夫!ち、ちぃ…ちゃんこそ、足は?」
陸くんは、なかなか名前を呼ぶのに慣れないらしい。゛ちぃちゃん゛のところだけ、やけに声が小さい。もともと声が低いので、ほとんど聞こえないくらいだ。
照れ屋さんなんだろうな。
そう思いながら、足を触ってみた。折角下駄を直してもらったけど、また履けるとは思えなかった。傷を触るだけで、すごく痛い。
「うん…何か、サンダルでも買うかなあ…。」
そう言うと、陸はこんなことを言った。
「もし嫌じゃなかったら…テーピングしようか?しばらくは歩けると思うよ。」