ガンバレ、男子!
俺がベッドでぼんやりと天井を眺めていると、啓太が訪ねてきた。あれから啓太は、自分も部活を休んで、うちに来てくれたらしい。
啓太のうちは家族で“中嶋食堂”という食堂を経営していて、俺も良く食べに行くし、家族でも時々食事をしに行ったりする。うちから歩いて何と、3分の距離にある。
俺は啓太の、啓太は俺のうちにしょっちゅう出入りしていて、お互いどちらも自分のうちみたいなもんだ。
啓太はチャイムも鳴らさずうちに上がってきて、ノックもせず俺の部屋に入ってきたようで、気がつくと部屋にいた。
「陸!おまえ、大丈夫か?心配でさー、部活おれもサボっちゃったよ。」
「あー、啓太か・・・。」
「最近ちょっと様子がおかしかったから、どうしたのかと思ってたんだよ。でも、今日のはひどい。さあ、朝、何があったのか話してみなさい!」
啓太は椅子の背を抱えるように座り、俺の目を睨んだ。
すでに脳みそが飽和していた俺は、啓太がどうして朝の出来事だと分かったのかも疑問に思わず、
「今朝な、電車で・・・女の子がいい匂いで…。でも、変態だって・・・」