魔の棲む森と神の居ます島
村中に悲鳴が響きわたった。

この村は始まりでしかなかった。
数多くの村が魔物に襲われ、多くの人間が死んでいった。
しかし、すべての人が消えたわけではなかった。
いくつかの村は、無事だったのだ。
その村は、他の村とは明らかに何かが違っていた。
そう、この村では人と異種族が共存していた。共に力をあわせ生活していたのだ。

この村一帯は、聖地とされるスタリアス山脈の麓にあり、同じ磁場で包まれている為、邪気を放つものたちは近寄ることが出来ないのだ。

その村に一人の青年が居た。
青年の名は「フェンムー」と云う。
フェンムーには、幼い頃の記憶がない。
この名前も、この村に住む長老がつけたのだ。
フェンムーには、不思議な力があった。
フェンムーは、精霊と会話が出来た。
そして、魔物たちとも。

長老「フェンムーは居るかの。」
村人「フェンムーならいつもの所に行きましたよ。」
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