君の声が聞こえる
塩谷さんが二十年の間、後悔し続けたの訳を。
雅巳の表情は穏やかで、雅巳の心を読み取る事は出来なかったが、雅巳の言うことは間違っていない。
確かに、塩谷さんは自分が雅巳のために残した遺産が、雅巳のお腹の中にいる子供のために使われたなら喜んでくれるに違いない。
「雅巳、幸せな家族になろうな」
「睦月が私の事を愛してくれているのと同じくらいお腹の赤ちゃんの事を愛してくれるなら、私達は絶対に幸せになれるわ」
「僕は雅巳が一番なんだよ。赤ちゃんは二番」
僕の言葉に雅巳は頭を振った。
「じゃ、こうしましょ。睦月にとって私が一番。赤ちゃんも一番」
「分かったよ」
僕が苦笑交じりに雅巳の言葉に同意すると雅巳はホッとしたように目を瞑った。
「ねえ、私、赤ちゃん男の子が欲しいな。睦月に似た男の子!」
突然の話題の転換に驚きながらも、僕は救われたような気持ちになった。現実的な話をすると、自分が学生で頼りない存在なのだという事を思い知らされる。
「俺は雅巳に似た女の子がいいなあ。そしたら絶対に嫁にはやらない!」
キッパリと言い切った僕に雅巳は小さい笑いを漏らした。
雅巳の表情は穏やかで、雅巳の心を読み取る事は出来なかったが、雅巳の言うことは間違っていない。
確かに、塩谷さんは自分が雅巳のために残した遺産が、雅巳のお腹の中にいる子供のために使われたなら喜んでくれるに違いない。
「雅巳、幸せな家族になろうな」
「睦月が私の事を愛してくれているのと同じくらいお腹の赤ちゃんの事を愛してくれるなら、私達は絶対に幸せになれるわ」
「僕は雅巳が一番なんだよ。赤ちゃんは二番」
僕の言葉に雅巳は頭を振った。
「じゃ、こうしましょ。睦月にとって私が一番。赤ちゃんも一番」
「分かったよ」
僕が苦笑交じりに雅巳の言葉に同意すると雅巳はホッとしたように目を瞑った。
「ねえ、私、赤ちゃん男の子が欲しいな。睦月に似た男の子!」
突然の話題の転換に驚きながらも、僕は救われたような気持ちになった。現実的な話をすると、自分が学生で頼りない存在なのだという事を思い知らされる。
「俺は雅巳に似た女の子がいいなあ。そしたら絶対に嫁にはやらない!」
キッパリと言い切った僕に雅巳は小さい笑いを漏らした。