君の声が聞こえる
僕といえば、突然のことに驚いて「うわあ」と声をあげてしまった。
「ごめん。驚かすつもりはなかったんだけど。こんな所でどうしたの?」
雅巳だった。
「あれ?須藤こそこんなところで何やってるんだ?」
言いながらもキョロキョロしてしまう。何度も良枝の存在がいないことを確かめてからようやく、「今日は一人なんだな」と言葉にする事が出来た。
そんな僕の態度に雅巳は苦笑を浮かべた。
「今日は一人よ。いつも良枝がひどい事をしているみたいでごめんね。あの子、ちょっと幼いところがあるの」
いや、あれは、ちょっとどころじゃないだろう、と思いつつも口では調子よく、「気にしてないよ」なんと答えたりしている。ここで雅巳の親友である良枝を悪く言うのは得策ではないことぐらい僕にだって分かる。
それに今日は一人だ!やった~、なんて喜んでいる場合じゃない。ここは病院だ。雅巳もどこか具合が悪いんだろうか?
そんな心配が表情に出てしまっていたのかもしれない。
雅巳は僕の座っている隣の椅子に自然な様子で腰を下ろした。
「定期検診で来ただけだから、そんなに心配しないでね」
「定期検診……」
「ごめん。驚かすつもりはなかったんだけど。こんな所でどうしたの?」
雅巳だった。
「あれ?須藤こそこんなところで何やってるんだ?」
言いながらもキョロキョロしてしまう。何度も良枝の存在がいないことを確かめてからようやく、「今日は一人なんだな」と言葉にする事が出来た。
そんな僕の態度に雅巳は苦笑を浮かべた。
「今日は一人よ。いつも良枝がひどい事をしているみたいでごめんね。あの子、ちょっと幼いところがあるの」
いや、あれは、ちょっとどころじゃないだろう、と思いつつも口では調子よく、「気にしてないよ」なんと答えたりしている。ここで雅巳の親友である良枝を悪く言うのは得策ではないことぐらい僕にだって分かる。
それに今日は一人だ!やった~、なんて喜んでいる場合じゃない。ここは病院だ。雅巳もどこか具合が悪いんだろうか?
そんな心配が表情に出てしまっていたのかもしれない。
雅巳は僕の座っている隣の椅子に自然な様子で腰を下ろした。
「定期検診で来ただけだから、そんなに心配しないでね」
「定期検診……」